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防犯性の高い鍵ディンプルキーの仕組み
近年、住宅の防犯対策として広く採用されているディンプルキーは、なぜ合鍵の作製が難しく、ピッキングなどの不正解錠に強いのでしょうか。その秘密は、従来の鍵とは一線を画す複雑な内部構造にあります。一般的なピンシリンダー錠(ギザギザの鍵)は、鍵の刻みの深さに合わせてシリンダー内部のピンが一直線に揃うことで回転します。これに対し、ディンプルキーは鍵の表面にある深さや大きさの異なる複数のくぼみ(ディンプル)によって、シリンダー内部のピンを操作します。ピンは上下方向だけでなく、左右や斜め方向にも配置されていることが多く、その組み合わせは膨大な数になります。この多方向かつ複雑なピン配置により、ピッキングツールを使ってピンを一本一本操作し、不正に解錠することが極めて困難になっています。さらに、ピン自体の形状も、ピッキングを防ぐための特殊な加工が施されている場合があります。例えば、マッシュルーム型やスプール型といった形状のピンは、ピッキングツールが引っかかりやすく、不正解錠を試みるとシリンダーが回らなくなるような仕組みになっています。加えて、ディンプルキーの製造には高い精度が要求されるため、一般的な合鍵作製機では正確な複製が難しいという側面もあります。メーカーは特許で技術を保護し、純正キーの流通を厳格に管理することで、不正な合鍵の作製を防いでいます。これらの要素が組み合わさることで、ディンプルキーは高い防犯性能を実現しているのです。
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管理会社って鍵開けてくれるものだと思ってた
つい先日、友人が「家の鍵をなくして、管理会社に電話したら鍵屋を紹介されただけだった」とぼやいていました。それを聞いて、私も「え、管理会社って開けてくれないんだ?」と少し驚きました。正直なところ、漠然とですが、賃貸に住んでいて鍵トラブルがあったら、とりあえず管理会社に連絡すれば何とかしてくれるものだ、と思い込んでいた節があります。家賃と一緒に管理費も払っているわけだし、そういう緊急時の対応も込みなのかな、なんて。でも、よくよく考えてみれば、管理会社の主な仕事は建物の維持管理や家賃の集金、契約更新の手続きなどであって、個々の入居者の鍵トラブルに24時間365日対応するというのは、確かに難しいのかもしれません。特に大きなマンションだと、入居者の数も多いですし、いちいち対応していたらキリがないでしょう。それに、電話だけで本人確認をするのも難しいし、防犯面を考えたら慎重になるのも当然かもしれません。友人の話を聞いてから、自分のマンションの管理規約を改めて読み返してみました。そこにはやはり、「鍵の紛失・インロック等による開錠は原則として行いません。必要に応じて専門業者をご紹介します」といった内容が書かれていました。今まで気にも留めていませんでしたが、ちゃんと明記されていたんですね。今回のことで、管理会社に過度な期待をするのはやめようと思いました。そして、何よりもまず、自分が鍵をなくさないように、しっかり管理することの大切さを改めて感じました。もしもの時のために、信頼できる鍵屋さんの連絡先を控えておくのもいいかもしれませんね。