車の鍵を失くしたり、追加で必要になったりした場合、スペアキーの作成を考えますが、その作成にかかる時間は、鍵の種類と依頼する場所によって大きく異なります。すぐに手に入る場合もあれば、かなりの時間待たなければならない場合もあるため、事前に目安を知っておくことが大切です。まず、昔ながらのギザギザした形状の「メカニカルキー」の場合です。これは構造が比較的単純なため、街の鍵屋さんであれば、対応可能なキーブランクの在庫があれば、数分から十数分程度で比較的早く作成してもらえる可能性が高いです。ディーラーでもキーナンバーが分かっていれば対応可能ですが、在庫がない場合はメーカーから取り寄せることになり、数日かかることもあります。次に、鍵部分にドアロックなどを操作するリモコン機能が付いた「リモコンキー」です。鍵の部分の複製は、鍵屋さんでも可能な場合がありますが、リモコン機能を使えるように車両に登録する作業は、鍵屋さんでは対応できないことが多いです。ディーラーであれば、鍵の複製とリモコンの登録作業を行いますが、登録作業には専用の機器が必要なため、1時間程度の作業時間を見込む必要があります。キーの在庫がなければ、取り寄せに数日かかります。そして、近年主流の「スマートキー」や「インテリジェントキー」の場合、作成時間は最も長くなります。これらのキーは、鍵の形状だけでなく、内部のICチップに記録されたIDコードを車両コンピューターが認証しなければエンジンがかからない仕組みになっています。そのため、新しいキーを作成する際には、物理的な鍵の作成に加えて、このIDコードを車両に登録するという非常に専門的な作業が必須となります。この登録作業は、基本的にディーラーでしか行えません。部品の取り寄せにも時間がかかることが多く、ディーラーに依頼しても、早くて数時間、通常は数日から、場合によっては1週間以上かかることも珍しくありません。街の鍵屋さんの中にも、イモビライザー付きキーの複製に対応できる業者が存在しますが、対応できる車種や年式は限られており、作業時間もかかることが予想されます。このように、車の合鍵作成時間は、シンプルな鍵なら鍵屋さんが早く、複雑なスマートキーなどはディーラーで時間がかかる、という傾向があります。ご自身の車の鍵の種類を確認し、時間に余裕を持って依頼することが重要です。