室内ドアに鍵を後付けしたいけれど、ドアに穴を開けたり、難しい作業をしたりするのは避けたい。そんな方に最も手軽でおすすめなのが、「貼るだけ」タイプの後付け簡易錠です。これは、ドア本体とドア枠に、それぞれ部品を強力な両面テープなどで貼り付けて固定し、スライドやつまみの操作で施錠するという仕組みのものです。最大のメリットは、何と言ってもその手軽さです。特別な工具はほとんど必要なく、貼り付ける位置を決めて、接着面の汚れを拭き取ってからしっかりと圧着するだけで設置が完了します。ドアやドア枠に穴を開ける必要がないため、賃貸住宅で現状回復が気になる場合や、ドアを傷つけたくない場合にも最適です。製品の種類も様々で、シンプルなスライド式のものから、デザイン性のあるもの、赤ちゃんやペットのいたずら防止に特化したチャイルドロックタイプなど、用途に合わせて選ぶことができます。価格も比較的安価なものが多く、数百円から千円程度で購入できるものが中心です。ただし、その手軽さゆえのデメリットも理解しておく必要があります。両面テープでの固定が基本となるため、防犯性はほとんど期待できません。大人が力を加えれば、比較的簡単に突破できてしまいます。あくまで、プライバシーの確保(ノックを促すなど)や、小さなお子さん・ペットのいたずら防止、といった簡易的な用途に限られると考えましょう。また、両面テープの粘着力は、貼り付ける面の材質や状態、温度や湿度によって左右されます。長期間使用していると粘着力が弱まったり、剥がす際に壁紙や塗装を傷めてしまったりする可能性もあります。設置場所や用途をよく考え、簡易的なロックで十分かどうかを判断した上で導入することが大切です。手軽に「ちょっとした区切り」を作りたい場合には、非常に便利な選択肢と言えるでしょう。