引き戸の防犯強化に簡易後付け鍵の種類


玄関が引き戸の場合、開き戸に比べて構造的に防犯性が低いのではないかと心配されることがあります。確かに、従来の引き戸の鍵は比較的シンプルな構造のものが多く、またガラス面が大きいデザインも多いため、対策を講じたいと考える方も少なくありません。そこで注目されるのが、後付けで設置できる簡易的な補助錠です。大掛かりな工事を必要とせず、DIYでも取り付け可能な製品が多く、手軽に防犯性能を高めることができます。代表的な簡易後付け鍵としては、まず「面付鎌錠(めんつけかまじょう)」が挙げられます。これは、引き戸の室内側の框(かまち)部分にネジで固定するタイプで、施錠すると鎌状のデッドボルトが受け金具にしっかりとかかり、戸が開かないようにロックします。取り付けが比較的簡単で、製品の種類も豊富です。次に、戸当たり部分、つまり引き戸が閉じた際に枠と接する部分に取り付けるタイプの補助錠もあります。これもネジで固定するものが多く、面付鎌錠と同様に後付けが可能です。製品によっては、室外側から鍵で操作できるものもあり、利便性も考慮されています。さらに簡易的なものとしては、窓用の補助錠を引き戸に応用する方法もあります。サッシのレール部分に挟み込んだり、両面テープで貼り付けたりするタイプで、工具不要で設置できる手軽さが魅力です。ただし、これらはあくまで簡易的な補助であり、防犯性能は限定的と考えた方が良いでしょう。どのタイプの鍵を選ぶにしても、自宅の引き戸の材質や框の幅、形状に適合しているかを確認することが重要です。また、簡易的な鍵は、あくまで主錠を補う「補助錠」としての役割を理解し、過信しすぎないことも大切です。設置場所や求める防犯レベルに応じて、最適な製品を選び、適切に取り付けることで、引き戸の安心感を高めることができます。